ラボ小説 - Mens Este Lab
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メンエス小説147

お店の会計を済ませ外に出ると秋めいた空気を感じる事ができた。

「ほのかちゃんが近くに出会えてよかったわ」

そう言われると少し照れくさい気持ちになる。

世界のどこかで少しでもそう思ってくれる人が居てくれることが、

心を落ち着かせる精神安定剤のような気分だ。

誰かの気を惹いたりするのは承認欲求が多い人の特徴だと思っていたけれども、

私だって時々は誰かに好かれていたい。

家族と離れ1人で東京に暮らすのはとても刺激的で楽しい一方、

人混みの中、寂しさを共有してくれる人が周りに居ないとこの世で私は1人なのじゃないかと思ってしまう。

お客さんもきっと寂しい思いを解消しに

肌の温かみを感じに来ているのだろうか。

わかちゃんはどうやら渋谷に住んでいるようで、

「またうちにも遊びに来てね」

なんて言ってくれる。

「ありがとう」と言いハグすると、「何だかメンエスみたい笑」と二人でにやにや笑ってしまった。

祐天寺の駅は相変わらず落ち着いていて、1人の寂しさを思い出させてくる。

家に戻りベッドに倒れ込むと静寂が訪れる。

人はきっと寂しいから誰かと寄り添っていたいのだろうか。

男の人が大金を払ってメンエスに来る気持ちがわかってくる。

メンエス小説146

鉄板の熱は少しずつ収まり、

お好み焼きの残りも殆ど無くなっていた。

「メンズエステってでも欲望に愚直だよね」

わかちゃんがそう言う。

「だって、おっぱいを顔に押し付けられてスタンプとか」

「普通だったら中々味わえないし」

「恋人にやってなんて言われたことないもん」

「それを当たり前のようにメニューにあって」

「男の人の欲望に合わせてうまく作られてるよね」

男の人の欲望によりうまく回ってる世界であるのは確かだ。

「でも、物理的に裸に近い姿になってゆっくり話せる機会って他にないよね」

わかちゃんは続ける。

「こんなありのままに近い姿なのにゆっくり話せるって普段のセックスじゃあまりなくて」

「エッチが終わって二人で寝るときとかも裸の時多いけど」

「意識がはっきりした状態でゆっくり話せて」

「そうなると何だか心も開放されたようにとっても癒やされるのは確かよね」

自問自答するようなわかちゃんの言葉に頷く。

「確かに、何だかエッチなのは悪いって風潮はあるけど」

「とっても心が穏やかになるのは私もそうかも」

ほのかも続けて少し加えた。

少し奇妙で、不思議な世界なのだけれども、

とても素直で、優しい世界なのかもしれない。

辞め時は考える必要があるのだけれども、もうしばらく頑張ってみようかなと思った。

メンエス小説145

「本当に、わかちゃんが居て良かったわ」

そう言うとわかちゃんもとても嬉しそうな顔をしている。一瞬暗い顔になったと思うと、

「ちょっと最近思うことがあってね」

ちょっとした作り笑顔の裏に真剣さが見え隠れしている。

「きっといつまでもこの仕事って出来ないなって思って」

「親にもはっきり言ってないし、言うのもちょっと躊躇してしまうから」

「この仕事の事はとても理解しているし、この業界で働いしている人はとても尊敬しているのだけれども」

「素直に親に言えないって事はどこか自分の中で普通の仕事とみなせてなかったり」

「きっと親もそう思わないだろうなあって思ってね」

「そういった仕事をずっとやってるって気持ち的にどこかすっきりしないのよね」

そう言われると、ほのか自身も親に言うのはとても躊躇する。

親どころかメンズエステの事を知らないであろう友達に言うのもかなり躊躇してしまう。

とても好きな仕事だし、

わかちゃんのことも好きで、

オーナーも関わってくれている人みんなのことを尊敬しているのだけれど、

普通の仕事かと言われると

すんなりそうかと思えない部分はある。

「何も出来ない私が沢山の人を元気にすることができて」

 「とっても喜んでくれる」

「その過程がTシャツにミニスカートでパンツが見えるような姿、ブラが透けちゃうような姿で」

「沢山オイルを使って密着して」

「結果として喜んでくれるのに」

「その過程が少し過激なだけでとても公に誰にでも言えるような事でなくなるのは」

「ちょっと哀しいし、だから」

「いつまでもやってていいかな。なんて思っちゃうの」

お好み焼きが小さくなってきて何か他に食べるかどうか。

ちょっとメニューを手に取り、

「メンズエステってアンダーグラウンドな文化だもんね」

そうぼやっと口にしてしまった、

メンエス小説144

「きっと満足の形なんて人それぞれなのだから」

「あかりちゃんがどんなことしていようと」

「ほのかちゃんが自分なりの精一杯の施術したら良いんだよ」

「あんまり人の事気にしても仕方がないし、比べられるものでも無いんだから」

「あかりちゃんがどんなえっちな施術してようが、どんなに整体師みたいな指圧しようが」

「どんなに垢が落ちるようなアカスリできようが、どんなにストレッチできそうなタイ古式しようが」

「ほのかちゃんはその時の自分なりに頑張ってみて」

「お客さんに何か言われたらアドバイスだと思って次にうまくできるようになれば」

「私は良いと思うなあ」

真剣な言葉とは裏腹にとても気を使ってくれているようなにこにことした表情がとても心にしみる。

その賢さや優しさがお客さんを惹きつけるんだろうなあ。

私に持ってないものを沢山持っているわかちゃんが羨ましい。

「ほのかちゃんしか持ってないもの沢山あるんだから」

「そんな可愛い子に密着してもらったら」

「私がおじさんだったらもう何回も通っちゃうわよ〜笑」

明るく振る舞う姿がとても可愛くて、ぎゅーっと抱きしめたくなっている。

お店の中でこんなにしっかりお話できる人が居たのはとても救いだ。

困ったことを相談できる誰かが居ると、

色んな事を教えてもらえる。

「私もイケメンがきちゃったらちょっとしちゃうかもしれないわよ笑」

冗談そうに笑顔で話しているのだけれども、

何となく本音に聞こえたその言葉は、

とてもわかちゃんらしくて美しかった。

メンエス小説143

「メンエスってとてつもなく素晴らしい仕事ってわけでも無いのは確かだと思うんだけどね」

「しっかりと求められているから成り立っている部分はあると思うの」

「どんなサービスや仕事も需要がなかったら成り立たないから」

「だから、一つの立派な仕事で」

「その中で自分がこだわりを持って」

「どうやったらお客さんが喜んでくれるか考えてやれば」

「きっとお店にも、私にも帰ってきてくれると思うのよね」

もんじゃはもう半分ほど減ってきている。

わかちゃんは少しびっくりするぐらい沢山食べている。

「最初の頃は想像力が無くて」

「男の人が喜ぶこと=射精みたいなことしか考えられなくて」

「でもそれって好きでもない人とエッチすることと似てて」

「一時的な満足感しかなかったんだなあって思っててね」

「長く続く関係ってどっちかって言うと」

「友達の延長線みたいな、身体の関係だけじゃないみたいな」

「だから、毎回お客さんからヒアリングしてその人の求めていそうなことや疲れている箇所や聞いてほしいことが無いかとか」

「基本的な施術の流れは守るけど、自分のアレンジはしてみて」

「反応見て、また試してみてって満足してそうな様子があるまでやってみてるのよ」

もんじゃを食べきり、もう焼いてもらったお好み焼きが来た。

「それにしても、もんじゃ美味しいね笑」

そういってにこにここちらを見る姿はとても印象的であった。

ただ可愛らしいだけじゃなくてきっと私より真剣に取り組んでいるのだろう。

そういう彼女なりの努力の積み重ねが今のわかちゃんができているのだろう。

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めんえすらぼ

Author:めんえすらぼ
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